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「永遠の三島由紀夫」 執行草舟 |読書感想 生命燃焼 小坂航

  • 執筆者の写真: kosakawataru6
    kosakawataru6
  • 2月23日
  • 読了時間: 3分

「永遠の三島由紀夫」 執行草舟


執行草舟社長が16歳の青年期から4年間にわたり、三島由紀夫先生と交わした文学論。


その対話を通じて培われた思想を、三島先生の死後55年、生誕100周年の節目に書き起こした大著である。


本書には、三島先生の思想を後世に残さねばならないという執行社長の使命感が込められている。


そして、本書は私にとって特別な一冊となった。


大変恐れ多いことではあるが、執行青年と三島先生の対話を、自分と執行社長との対話に置き換えて読ませていただいた。


執行青年が三島先生と出会ったのは、自己確立の苦悩にもがく最中だった。


そして、私が執行社長とお会いしたタイミングも、ちょうど30代を前に自己確立に悩み、仕事を辞めるべきか、何が自分なのかという問いに直面していた時期だった。


昨年から数回お会いする機会を得て、直接対話させていただいたことで、自分の軸となるような大切な学びを得ることができた。


その時間は、私にとってかけがえのないものとなった。


社長室で向かい合い、執行社長は真っ直ぐに私と向き合ってくださった。

優しく励ますのではなく、


「不安になるな。人生は体当たりするだけだ。

お前は考えすぎだ。大丈夫だ。」


そう強く言葉をかけてくださった。


その言葉と存在は、私の迷いを振り払うかのように響いた。


さらに、その後、社員の方を通じて送ってくださった一通のメール。


その中の一言が本当に嬉しく、今でも自分の中に大切に留め、純粋な思い出として残しておきたいと思っている。


なぜ、私は三島先生や執行社長の存在にこれほど惹かれるのか。


その存在に憧れるほど、現代では生きづらくなり、人が離れ、反感を買うこともある。


それでもなお、何か大切なものを失ってしまうような危機感に、私は抗えないものを感じる。


終章に記された一言、


「三島由紀夫を格好良いという限り、日本民族は死なないと思っているのです」


このシンプルな言葉に、私は深く心を揺さぶられ、自分の存在を強く意識することができた。


「神話と現世が、もう一度、一体とならなければならない」

三島先生は、文学を超えて、自らの命をもってこの言葉を体現した。


血で書かれた神話として遺されたものは、力強い炎となり、日本人の中に眠るスサノヲの魂を呼び覚ますエネルギーとなっている。


そして、それは物質文明から霊性文明へと向かうための灯火となり、私たちを導いてくれているのだと感じた。


そして、偶然にもこの本を読み終えたのは、建国記念日だった。


この日に三島思想に触れ、日本という国のあり方とその精神について改めて考えさせられたことには、深い意味があるように思う。


私は文学ではなく、三島先生が命を懸けて示した思想を、生命燃焼の哲学としてトレーニングに組み込み、その炎を永遠に燃やし続けていくという挑戦をしていきたい。


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