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「月と六ペンス」 サマセット・モーム|読書感想 小坂航

  • 執筆者の写真: kosakawataru6
    kosakawataru6
  • 2月24日
  • 読了時間: 2分

「月と六ペンス」 サマセット・モーム


ポール・ゴーギャンをモデルに天才画家の人生が描かれた歴史的大ベストセラー


ロンドンの株式仲介人、チャールズ・ストリックランドは、仕事、家庭、何不自由ない暮らしを送っていた


ある日突然、40 歳の時、仕事も、家も、妻も捨て絵を描き始める…


どうして奥さまを捨てたんです?

「 おれは、描かなくてはいけない、といっているんだ。描かずにはいられないんだ。川に落ちれば、泳ぎのうまい下手は関係ない。岸に上がるか溺れるか、ふたつにひとつだ 」と語った


何もかも捨てていく過程に、苦しみを感じさせず世間には全く関心もなく、取り憑かれたように絵に全てを捧げる人生


現代的な目線からみると冷たく、とんでもない人だと思えるかもしれない


しかし、ストリックランドの人生には現代の物質文明に抗う勇気を自分に与えてくれた


ストリックランドの最期は壮絶だ…


ハンセン病を患い視力が衰えてくると家に何時間も閉じこもり、下から天井までの壁一面に絵を描き続けた


ストリックランドが危篤だと知らせが入り、医師が家に行く…


目の前に広がる絵に、言葉に言い表せないほどの神秘的な絵があった


世界の始まりを目撃した人間がいたとすれば、きっと同じように感じたことだろう…


すでに死体となったストリックランドは生前、自分を埋葬したら家に火を放ち全てが灰と化するまで見守るよういいつけていた


求めていたものを得られ最後は何も残さない


これをどう捉えるのか…

人間としての本当の魂とは何かをを感じさせられる作品だ


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