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第五回 思想編「呼吸と燃焼核」内なる力が自然と湧き起こる深層筋トレーニング |小坂航チャンネル

  • 執筆者の写真: kosakawataru6
    kosakawataru6
  • 2月24日
  • 読了時間: 3分

第五回は「呼吸と燃焼核」についてお届けします!


前回ご紹介した燃焼核(横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群)は、生命燃焼のエネルギーを生み出す中心的な役割を果たします。


この燃焼核が適切に機能することで、身体の内側から湧き上がる力が生まれ、安定した姿勢やスムーズな動作が可能になります。


そして、その機能を最大限に引き出す鍵となるのが「呼吸」です。


呼吸は単なる酸素の供給手段ではなく、身体の深層部を活性化し、精神の安定をもたらす重要な要素です。


しかし、日本の歴史を振り返ると、かつて武道や芸道を通じて重視されていた「道」の概念が、戦後の社会変化とともに薄れていきました。


例えば、武道においては、単に強くなることだけが目的ではなく、稽古を通じて精神の鍛錬をしていたのです。


その根幹には「呼吸」がありました。


深い呼吸を通じて心を整え、身体と精神のつながりを深めることで、単なる技術の向上ではなく、人間成長そのものの役割を果たしていたのです。


これは茶道や書道などの芸道にも通じるものであり、呼吸を整え、内面の調和を図ることが「道」の本質とされてきました。


しかし、次第に「道」は「スポーツ」へと変化していきました。


競技性が重視され、結果を求める傾向が強まる中で、呼吸と精神の結びつきは軽視されるようになり、現代の健康観は肉体第一主義へと傾倒していきました。


その結果、多くの人が自身の呼吸に意識を向けることなく、身体を鍛えることばかりに重点を置くようになったのです。


一方、19世紀前半の大英帝国では、トーマス・アーノルドの教育改革によって、ラグビーやボート競技が「道」の一環として取り入れられました。


これらの競技は単なるスポーツとしてではなく、身体的な鍛錬を通じて精神力を養い、集団の結束力や愛国心を育む教育手段として機能していました。


こうした日本の歴史や、大英帝国の躍進を支えたエネルギーの源泉を考えると、「道」という概念が重要な役割を果たしていたことが分かります。


「道」を通じて培われる呼吸、そしてその呼吸によって活性化する燃焼核こそが、人間の持つ本来の力を引き出し、生命燃焼のエネルギーを生み出していたのです。


現代社会においては、多くの人が本来の呼吸を忘れ、過剰な呼吸が常態化しています。

呼吸は人間が最初に獲得する「原始的な動作」であり、一日約2万回も繰り返される生命活動の基盤です。


しかし、ストレスや長時間のデスクワーク、不良姿勢などの影響で、浅く速い呼吸が習慣化し、本来の深い呼吸が失われています。


その結果、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が過剰に働くことで、常に緊張状態が続き、リラックスができない体になってしまいます。


また、首や肩の筋肉などの呼吸補助筋が過剰に働くことで、肩こりや首の張り、さらには腰痛といった症状が慢性化してしまいます。


呼吸は単なる生理現象ではなく、身体と精神の調和を育みます。


現代において忘れられつつあるこの「呼吸の力」を取り戻し、燃焼核を活性化させることで、生命燃焼を軸とした健康を手に入れることができます。


▼視聴は小坂航チャンネルから▼



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